拠点形成プロジェクト
三木学の国際拠点形成
―哲学的人間学の可能性、人類学と協同主義の交錯と広がり
プロジェクト代表者
近藤 和敬
大阪大学大学院人間科学研究科・准教授
近年、国外の日本学研究のなかで、日本哲学を代表する西田幾多郎のみならず、その弟子のひとりで、経済学、社会学、人類学とかかわりながら協同主義 corporatism の議論を戦前の日本で展開した哲学者、三木清への注目度が高まっています。それにたいして日本国内の日本哲学や日本学では、三木と同じ京都学派である西田、田辺、九鬼などについては多くの研究蓄積があるものの、三木についての研究は十分ではなく、またその研究拠点形成も行われてきませんでした。本課題ではこの状況に応じるべく、以下の点を目的として設定します。
- 近年国際的に注目されつつある日本の哲学者三木清の事績について、領域横断型の国際研究拠点を形成すること。
- 三木清研究(以下、三木学と呼称する)に資する大阪大学内の研究リソースを集約し、実質的な研究交流と推進を促進すること。
- 大学間協定などに基づく国際的な研究リソースを三木学の拠点形成のために再編すること。
- 新学術領域の創設に向けた下地を作るべく、領域横断(人類学、社会学、政治学など)を可能とする研究者を三木学の形成という観点から連携強化すること。
近年、同時代のフランクフルト学派やデュルケム学派との比較研究がすすむなかで、三木の哲学の国際的な独自性が徐々に再評価されつつあります。とくに本プロジェクトで注目するのは、彼の哲学のなかにおりこまれている社会学、経済学、人類学、政治学の綜合的知見であり、この点を領域横断的に解明することが目指されます。
三木清は、哲学という学問領域にとどまることなく、様々な時事情勢の分析や社会運動の組織化、政策提言会議などへの参加を行ってきました。そのため、それらの社会的実践を彼の哲学と密接に連携して理解し、同時に、その実践を現在の社会状況を踏まえて再活用することは、近年の大学が求められる社会連携の観点からも、参照するべき意義のあるものであると思われます。
本プロジェクトでは、国内外の様々な機会を利用しておこなわれるプロジェクト構成員らの研究成果を集約し、また研究会の開催などを通じて研究交流をはかることで、最終年度にはそれらの成果をまとめた書籍出版をめざしています。
プロジェクト構成員 | ||
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学内 | 斉藤 弥生 | 大阪大学大学院人間科学研究科・教授 |
山崎 吾郎 | 大阪大学COデザインセンター・教授 | |
織田 和明 | 大阪大学大学院情報科学研究科・特任助教 | |
学外 | 檜垣 立哉 | 専修大学文学部・教授 |
Thierry HOQUET | パリ・ナンテール大学・教授 | |
Elie DURING | パリ・ナンテール大学・准教授 | |
LIAO, Chin-Ping | 中山大学哲学科・教授 | |
玉田 龍太朗 | 滝川中学校・高等学校・教諭 |
協力機関・ 連携機関 |
専修大学 |
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パリ・ナンテール大学 | |
中山大学 |
キーワード | 三木清、京都学派、領域横断型研究、協同主義、三木学 |
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