イベント

GJS Research Workshop 2024年4月例会
Green with Milk and Sugar: When Japan Filled America's Tea Cups
海を越えたジャパン・ティー:緑茶の日米交易史と茶商人たち

日  時:2024年4月22日(月)17:00~18:30
会  場:大阪大学豊中キャンパス 全学教育推進機構 実験棟1F サイエンス・コモンズ DAICEL Studio(ハイブリッド開催)
開催言語:ブック・トークおよびコメントは日本語。討論は日英両語。

参加方法:参加お申し込みは終了しました。
https://forms.office.com/r/aXgR6dyRYV

【ブック・トーク】
Robert HELLYER(ウェイク・フォレスト大学教授)

【コメント】
杉山 伸也(慶應義塾大学名誉教授)

【趣旨】
今日、アメリカは紅茶の消費量が多い国のひとつとして名を連ねている。一方、日本においては緑茶、とりわけ煎茶が好んで飲まれている。本講義は、両国において嗜好されている飲料が密接にかかわっていた歴史的背景を明らかにする。19世紀初期以降に太平洋を横断して行われた茶の貿易を振り返ることにより、日本とアメリカの関わりがいかにして今日の両国における日常的な飲料の消費習慣に影響を及ぼしたかという点を掘り下げる。
19世紀、日本がアメリカに焦点を当てた輸出産業を発展させるまでの間、アメリカ人は中国産の緑茶を好んで飲んでいた。日本茶の輸入増加により、緑茶はすべての階級のアメリカ人の間で大衆化した。とりわけ、中西部に住むアメリカ人の多くは牛乳と砂糖を混ぜた熱い緑茶を日常的に飲んでいた。1920年代に入ると、社会経済動向と日本人と中国人に対する人種差別により、アメリカ人はセイロンとインドから輸入された紅茶を飲むようになった。供給過剰に直面した日本の貿易商人らは、日本国内および植民地に対して積極的に煎茶を売り込んだ。その結果、煎茶の消費が普及し、近代日本文化の象徴的存在となったのである。
著者:米国のウェイクフォレスト大学歴史学科教授。これまで『Defining Engagement: Japan and Global Contexts, 1640-1868. (2009)(原題)』と『The Meiji Restoration: Japan as a Global Nation. (2020)(原題)』Westerners in Nineteenth-Century East Asia: Lives, Linkages and Imperial Connections (2022)(原題)(共同編纂)を上梓

2024.03.14